私は、何をしても中途半端で不器用な自分を変えたいと、一念発起して、大学拳法部に入部。
当時の大学拳法部は、刺激的な4年間を過ごしました。
少林寺拳法との偶然の出会いが、自分の人生を決める必然となりました。少林寺スピリットで、人を育てる仕事をしたいと決意、武専で聞いた開祖の「魂の指導者たれ!」というメッセージが、心に響きました。
26歳の時に、鈴鹿平田野青少年支部を新設、「自己確立・自他共楽」の教えを、どう自分なりに実践し、子どもたちの可能性を引き出していくか、ライフワークが定まりました。29歳で帰郷し、道院長として、「魂の指導者」をめざして遠く長い修行の道を踏み出しました。
拳士たちは、様々な可能性の種子を持っています。
適切な時に、水・光・肥料等を与えることで、可能性の芽を出し、自分の力で大きく伸びていきます。自己肯定感をしっかり育て、高めることが大切です。心のエネルギーを大きくすれば、人は元気になり、自ら成長していきます。
まずは、拳禅一如の修練で、健全な自己イメージのもとになる基礎体力を養うことが大切。次に、心にエネルギーを与え、元気づけ、やる気を引き出す言葉がけがポイントです。
ほめ言葉や認め言葉を多用し、皮肉や嫌味など、心を傷つける言葉を使わない。
元気いいぞ!頑張ったな!その調子!よく努力したぞ!そんな言葉が、飛び交う道場でありたいものです。
人生を、青春、朱夏、白秋、玄冬の4つの時期に分けて考えれば、私(道院長)は「白秋期」のど真ん中にいます。
熱い思いで「鍛える拳法」を追求した青春期や朱夏期は、過去の話。「古希」を迎え、首・腰・膝の痛みと折り合いをつけながら、「養う拳法」の魅力を追求する時期にいます。老若男女、健康増進・護身練胆・精神修養の三徳を実感できる道院になればと願っています。
少林寺拳法を通して、無心になって笑いあえる仲間がいる、お互いに人生意気に感じて打ち込める仲間がいる。そんな道場では当たり前の一場面、一場面が、幸せの瞬間です。人と人が「つなぐ・つながる」、少林寺拳法でそんな場を共有・共感したいものです。
淡路緑道院では、凛とした、心地よい緊張感と、和気あいあいとした安心感・信頼感が漂う雰囲気の中で、日々の修練が出来たらと願っています。
現在、少年部の拳士が少人数となり、少し寂しいなと感じる時もありますが、個性豊かな拳士たちが、それぞれのペースで修練に励んでいる姿は微笑ましいものです。親子で頑張っている拳士がいます。3世代にわたって修練を続けている拳士もいます。
仕事・家庭・少林寺拳法のトライアングルのバランスをとりながら頑張っている社会人拳士がいます。「昨日の我に、今日は勝つべし!」
それぞれの拳士が、明日の自己実現に向けて、今より一歩先を意識して、日々の修練に励んでいます。
所属拳士たちの声を拾ってみました。
◇全力で頑張る楽しさを実感できた。
◇技がグンと伸びたと思う。
◇いじめられている友だちを助けられるようになった。
◇周りのみんなに教えてもらって、技を覚えていくのがとても楽しい。
◇みんなが仲良く、大人の人もとても優しい。
◇僕の夢は、初段・黒帯になること。
◇道場は、親子で共に過ごす貴重な時間。
◇自信と勇気と行動力、自分の成長を実感できる場。
◇道院の仲間は、お互いに尊敬しあえる、もう一つの家族のような存在。
等々、個性豊かな拳士たちが、それぞれのペースで、修練に励んでいます。あなたに出会えてよかった、そんな出会いを期待しています。